体位変換介護の注意点とポジション

体位変換は文字通り自分の意志で自由に体を動かすことができない人を姿勢を変えるための介護業務です。この作業は呼吸機能の低下や感染、床ずれによる褥瘡の予防に繋がります。
体位変換はただ姿勢を変えればいいというわけではありません。要介護者が負担を感じないように自然体でいられるポジショニングを取ることが重要になります。

横になった時の基本姿勢とも言える仰臥位で気を付ける点は頭、肩、膝裏の3ヶ所です。
仰向けの姿勢で寝る時に頭が体より低い位置にあると逆立ちをしているのと同じように頭部に血液が集中してしまいます。その結果、血圧が上昇して脳血管障害を引き起こしてしまうこともあるので頭の位置は注意が必要です。
電動ベッドを使用している場合はギャッジアップを利用すると調整がしやすくなります。

肩は肩甲骨から肘の下にクッションを入れて胸の真ん中で腕を組む形にするのが基本です。これにより、肩に余計な力が入らなくなってリラックスした状態で就寝できます。
クッションを入れることで必然的に体の位置が高くなるのでそれに比例して頭のポジションも変えなくてはいけません。先に体の位置を決めてから頭の調整をすることが無駄な作業を減らして要介護者に負担を掛けないコツです。

仰向けの姿勢で横になる時は足を投げ出すイメージを持たれがちですが、介護では膝を立てた状態にします。体とベッドの間に隙間ができると筋肉が緊張して疲れが溜まってしまうので膝裏にクッションを入れるのも忘れてはいけません。