おらおらでひとりいぐも あらすじは?旦那に先立たれた老女の後悔と家族との距離感を、絶妙な描写と東北特有の言葉で表現している傑作。

芥川賞の受賞作が2018年1月16日に発表されましたね。今回受賞したのは、著者・若竹千佐子さんの『おらおらでひとりいぐも』と、著者・石井遊佳さんの『百年泥』のダブル受賞となりました。こちらの記事では、若竹さんの『おらおらでひとりいぐも』のあらすじがどんなものなのかをまとめてみました。


スポンサーリンク




おらおらでひとりいぐも あらすじは?

今回芥川賞を受賞した『おらおらでひとりいぐも』ですが、著者は若竹千佐子さんという方です。

この物語の主な登場人物は、主人公の桃子さん、その桃子さんの旦那さんの周造さん。この旦那の周造さんは、まだまだ若い頃に心筋梗塞で亡くなられている。そして、その桃子さん、周造さんの子供である直美さん、正司さんの4人の家族の物語になっています。

ストーリー的には主人公の桃子さんが、息子の正司さんを装った「おれおれ詐欺」の被害にあり、250万円をだまし取られてしまうのがことの始まり。桃子さんは75歳で一人ぐらしをしているが、結婚した娘が孫をつれて、生活のお手伝いをしにきてくれるようになっていたが、ある時、その娘から孫の塾の費用を出してもらいたいと相談を受ける。

そこで桃子さんは娘の頼みを断ってしまう。理由は、その前に「おれおれ詐欺」の被害にあってしまっていたから。

そこから桃子さんの過去を振り返り、自己嫌悪だったり、後悔だったりが情緒的に描かれていく。人と人との関わりの中で、自分自身がどれだけの価値を人に与えらる人間なのかという葛藤を描いているちょっとだけ寂しい感じの小説になります。

今回舞台になっているのは東北。著者の若竹千佐子さんが岩手出身ということで、東北出身者が描く人物像の特徴なんかもかなり描かれています。


スポンサーリンク




旦那に先立たれた妻の葛藤という時代性

この小説には色々とメッセージが盛り込まれてて、様々な著名人がそれぞれの書評、感想を寄せているのですが、特に印象的なのが、「文藝賞」の全選考委員が絶賛している事です。

「東京オリンピックの年に上京し、二人の子どもを産み育て、主婦として家族のために生き、夫を送って「おひとりさまの老後」を迎えた桃子さんは、戦後の日本女性を凝縮した存在だ。桃子さんは私のことだ、私の母のことだ、明日の私の姿だ、と感じる人が大勢いるはず」
――斎藤美奈子氏

確かに、「戦後の女性」という人物像を如実に表して、現代に生きる女性が最終的に行きつくであろう姿が刻々と描かれているようにも思えますね。

「宮澤賢治「永訣の朝」にある「Ora Orade Shitori egumo」のフレーズ。それを悲しみのうちに死ぬの意ではなく、独り生きていく「自由」と「意欲」に結びつけた。「老い」をエネルギーとして生きるための、新しい文学が生み出された」
――藤沢周氏

逆転の発想まではいかないまでも、確かに「老い」という一般的にはネガティブなイメージをもたらす言葉も、この物語ではエネルギーだとさえ感じてしまうのかもしれませn。

「取り返しのつかない命のなかで、個人の自由や自立と、その反対側にある重くて辛いものも含めた両方を受け取って、人生を肯定的にとらえるまでにいたったのが見事」
――町田康氏

この評価もかなり意義深いですよね。生きること自体は自由であるべきだし、人それぞれの生き方が認められるべき。でも、「他者」の存在を意識した瞬間にそこには思い責任が伴うという、ある意味、常識的なことをとても重苦しく理解させてもらえます。

この私の記事だけを読んでしまうと、「重苦しい物語」だと感じてしまうかもしれませんが、その辺は東北言葉なども含まれているので、案外ライトな感じの仕上がりになっている物語だと思います。

ぜひ機会があれば読んでみてくださいね!


スポンサーリンク





こちらもあわせて!



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。